Annie Hall & Skyfall

5月の帰国はアリタリアのミラノー東京の直行便でした。
飛行機では何かを読んだり、食事をしたりしますが、日本とヨーロッパ間の約11時間というのはあまりにも長く、僕も映画を見るということが多いです。映画はもともとそんなに興味がある媒体ではなく、飛行機で観られる映画にも観たことがない映画が多いので、毎回何本か観ます。
今回はウッディー・アレンの名作『アニー・ホール』(1977年)と去年の映画『007 スカイフォール』を観ました。偶然韻を踏んでしまってましたね。
『アニー・ホール』は何となく観たことがあるような気がするシーンもあったので観たことがあったのかもしれません。楽しくて哀しいラブロマンスでした。
『スカイフォール』は他の007のものと、まあ、変わらないと言えば変わらないのだけれど、それがいいというのか、それでいいことになっている。寅さんとか、オペラとか、そんな感じのものですね。ピアノリサイタルをはじめとするクラシック音楽のコンサートもそういう面があるのかな。海外を飛びまわるボンドの活躍は飛行機で観るのに適していると思いました。

Annie Hall トレイラー

Annie Hall ラストシーン

Skyfall トレイラー

アデルの主題歌もなんだか良かった。

ウテ・レンパー、ラストタンゴ・イン・パリ、キャバレー

昨日はストレーレル劇場 Piccolo Teatro Strehler のウテ・レンパーのコンサートに行ってきました。ウテ・レンパーはミュージカルやシャンソンの歌い手さんです。今回のコンサートは “Last Tango in Berlin” というテーマで、「ベルリンのブレヒトからブエノスアイレスの酒場へ」という副題にあるように、お得意のクルト・ヴァイル(カート・ワイル)やエディト・ピアフからピアソラまで全部タンゴで楽しむという趣向で、1曲イタリア用にフェッリーニのアマルコルドのテーマ(ニーノ・ロータ)も披露されました。2時間のコンサートは彼女の魅力満載で、今最も乗っているエンターテイナーの一人としての面目躍如、といった感がありました。ドイツの方ですが今はパリとニューヨークに住んでいて、お話にはフランス語から英語にイタリア語単語(タンゴ)が交じって怪しくもインターナショナルな雰囲気を醸し出してました。

さて、”Last Tango in Berlin” という題は明らかに “Last Tango in Paris” のもじりで、この映画は実はイタリア映画、原題は “Ultimo Tango a Parigi” です。落ちぶれた中年男マーロン・ブランドとうら若いお嬢さんマリア・シュナイダーのお話です。好き嫌いのある映画だと思いますが、まだ観てない方は観てみてくださいね。

http://www.youtube.com/watch?v=3x4UOsLC0OE

さて、ウテ・レンパーさんのコンサートにはともかく20年代30年代のベルリンの頽廃したキャバレーがベースにあります。昨日もそんなムードの中 “All That Jazz” のタンゴバージョンも飛び出し、こう来るとやっぱりライザ・ミネリの「キャバレー」がどうしても頭をよぎるのが人情というものでしょう。

http://www.youtube.com/watch?v=3d4iHb3AP2Y


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博士の異常な愛情 または私は如何にして心配するのを止めて水爆を愛するようになったか

上の長いタイトルは映画の題名です。原題も長く “Dr. Strangelove or: How I Learned to Stop Worrying and Love the Bomb” です。「博士の異常な愛情」ではなくて「異常な愛情」という名前の博士なのですが、その辺の経緯については以下に詳しいので興味のある方はご覧ください。→http://ja.wikipedia.org/wiki/博士の異常な愛情_または私は如何にして心配するのを止めて水爆を愛するようになったか

ともかくこの映画はスタンリー・キューブリック監督の作品でピーター・セラーズが一人3役をこなしているブラックコメディーです。これがなかなか面白い!ジョージ・C・スコットの名演も光ります。傑作だと思います。

http://www.youtube.com/watch?v=1gXY3kuDvSU

おまけ:ピンクパンサーの予告編です。クラウディア・カルディナーレも出てたんですね。ともかく(僕には)抱腹絶倒です。(FROMMILANの過去の映画を取り扱ったものにも予告編を付けました。右のカテゴリーから「映画」をクリックしてみてください。)
http://www.youtube.com/watch?v=JnwQrU_1w1Y

ヴィスコンティとフェッリ—二

2度ほど映画について少し書きましたけれどぼくは映画に詳しくないのでたいしたことは書けません。あまりそういうよく分からないことは公に書いたりせずに一人で楽しんでおれば良いかと思ったりもするのですが、書くことがそうちょくちょくあるような楽しい生活をしているわけでもないので、今日もまた映画です。そもそも映画についての知識を深めようと思ってこのサイトを見る人がいるわけはなし、そういう意図ならいくらでも他のサイトがあるわけで、ボク自身も特に映画について深く追求したいとは思ってもおらず、ごく当たり障りのない、表面的な、これが好きあれも好き程度のことしか書けまへん。

今日は一気にイタリアを代表する2人の映画監督、ヴィスコンティとフェッリーニを取り上げるぞ!と意気込んで書き始めてみたら前置きの段階で言い訳だらだら、要するにあまり良くは知らないのです。
この2人は何かと対照的なイメージ(知識の欠落している話題でWikipediaなどを紐解く意欲もないので今日はイメージで語るのである)で、ミラノの貴族の姓を持つヴィスコンティに対してフェッリーニはエミリアロマーニャだかの出身だけれどなんだかローマの印象が強く、前者はインテリなゲイといった感じですが、後者はかつてCNNの60minutesのインタヴューで「非常に精力的に活躍なさってますが60歳を迎えて年を感じるのはどういうときですか?」という質問に「ううむ、若いときは1日に6回はしていたけれど今は3回ぐらいしかできなくなってしもうたわい、ひひひひひ(薄笑い)・・・」というインタヴュアーの目が点になるような発言を聞いた記憶があることからも単なるスケベおじさんであったことが想像されます。

Federico Fellini

Federico Fellini

ヴィスコンティと言えばオペラの演出の歴史にも名を残しており、特にスカラ座でのカラスとのコラボは有名です。ゼッフィレッリは彼のアシスタントをしていたのではなかったかと思います。ヴィスコンティが死ぬ直前に準備していたのは「失われたときを求めて」の映画化だったということで、ボクは日本でその構想を本にしたものを持っていたけれど、イタリアではそんな本は見たことがない(探したこともないので滅多なことは言えませんが)ことからもおそらく日本の方がイタリアよりも情報が多く、日本人の方がよく知っているのかもしれません。そういえばこの2人とは関係ありませんが「黄金の7人」シリーズという非常にすばらしい(バカバカしい)イタリア映画は、こちらではほとんど知られておらず、わずかにミーナの歌った主題歌だけがたまに聴かれるのみです。

Luchino Visconti

Luchino Visconti

ボクの見た彼らの映画を列挙したりしてみると、“ヴェニスに死す”、“Il Gattopardo”、“ルートヴィッヒ”、“L’innocente”(以上ヴィスコンティ)、“8と1/2”、“ドルチェ・ヴィータ(「甘い生活」というのかもしれない)”、“女の都”、“アマルコルド”、“道”(以上フェッリーニ)など。他にも見たかもしれないけれど、思い出せまへん。充分であるように思います。“ヴェニスに死す”のマーラーのアダージェットをバックに船でヴェネツィアに入るシーンは有名すぎるけれど好きです。“ルートヴィッヒ”は面白くて(長くて退屈かもしれない)ボクは何度も見ました。“8と1/2”はフェッリーニでは一番気に入りました。日本では「はちと二分の一」というかと思いますがイタリアでは「オットエメッゾ」というと思います。“ドルチェ・ヴィータ”は有名だけれどあんまりよく覚えていません。フロムミランに書く前に取り上げる映画くらいはもう一度見ておくべきであったかもしれないとも思います。
映画全般をよく知らないというのは映画監督や俳優などの生涯であったりするあたりはよく知らないということで、実はそのようなことはよく知らなくても(それは音楽でも同じです)楽しめばそれでよいのだとも思います。

http://www.youtube.com/watch?v=X4N8B1ggYc4

http://www.youtube.com/watch?v=2E71FX-wkLI