ラヴェル「鏡」第1曲「夜蛾」(2)

明けましておめでとうございます。
去年の11月12月に日本で演奏した曲について書いて、興味を持ってもらってコンサートに来ていただけたら嬉しいな、との下心から、面白くもない曲目解説的なものを連投したものの、全ての曲について書くこともできないまま、日本に帰国しコンサートをしてミラノに戻って行く年を惜しみ新年を祝っているうちに随分と日が経ってしまい、もはや当初の広告としての意味もなくなったにも拘らず、乗りかけた舟、ではなく、旧年にやり残した仕事を新年に引き継ぎやり通す、という前向きな姿勢を装い、引き続き「鏡」の「蛾」について書きます。一文が長い。

では「蛾」。
4分の3拍子、変ニ長調です。

1拍目はラ♭ – ド – ミ♭ – ソ♭ – シ♭です。このような和音で始まる曲として夜のガスパールのオンディーヌが思い浮かびます。

3小節目、ド♯ – ミ♯ – ソ♯ – シ – レ♯ です。ここは右手が嬰ハ長調、右手が嬰ト短調の複調とも見ることが出来るかと思います。オンディーヌの左手のメロディーと夜蛾の高音の繋がりはなんだか似ていますね。

似ているのはこの音形だけではなく、そもそも私は「鏡」と「夜のガスパール」には多くの関連があると考えています。これから少しずつみていきましょう。(続く)