ピアノの弾き方など 3

数日前にある立ち飲み屋さんで最近の演劇などが話題になり、友人が「この間のホニャララの演出は表面的でくだらなかった」と言ったとき、すぐ横に立っていたヒゲモジャでキッタナイ服を着たお兄さんが「芸術に表面的じゃないことってあるのか?」との問いを発し、それを聞いた僕が思わずもう一杯注文してしまったのは蛇足ですが、話してみると彼は売れない画家だとのことで、そう言われてみると服の汚れは絵の具のようで、お互いの売れなさに乾杯したのもまた蛇足でして、そのような図をこそ写真にでも撮っておけば「フロムミラン」的には大成功なのだけれどわざわざカメラを持って飲みにも行くわけもなく、残念なことをしたというのもまた3本目の蛇足です。

Caravaggio - Canestra di Frutta

Caravaggio - Canestra di Frutta

要するにちょっと考えてみれば「内容」があったとして絵画や音楽においてはそれは「表面」にしか現れないことは自明なわけで、だから「音色」が大切であるというのはあまりにも単純ではあるけれど、ぼくなりの説明にはなっているようにも思います。
「音色」以外にもいろいろ表面はありまして、たとえば音の出るタイミングといいますか、これはリズムに関わることで、「ピアノの弾き方」というよりは音楽の表現の問題のようです。でも実は「音色」も音楽の表現の問題に他ならず、というのも「表面」は「内容」であるからで、ということはここでいう「ピアノの弾き方」というのはそれは「音楽の仕方」というのと同じなので、当初計画していた「椅子の高さは云々」などとは言ってはいられないということで、次回何を書くのか、ますます難しくなってきました。

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