スペインのピアノ音楽

スペインのピアノ音楽では次のような演奏が好きでした。

この曲は今をときめくピアニストの演奏もYoutubeで見聴きすることができますが、どれを聴いても、コルトーのさりげない趣味の良さとリズムの余裕のある感じ、歌のふくよかな感じが懐かしくなります。
例えばこれなんかは面白いといえば面白いのだけれども(1°23’28″辺りから)。。

例えば下のような演奏はコウアルベキだと思わせるけれども少し趣きに乏しいと言っても良ければそんな気もしないでもない。(このブログでは一般的にいいと言われる演奏には難癖をつけ、難がありつつも魅力のある演奏を持ち上げてみたりする傾向があるので全て真に受けないように笑)

彼女の次のビデオは芸大の図書館にLD(!)があって何度か観ました。

この曲との出会いは下の演奏でした。

この二人はもちろん今はもうなくなってしまった世代の大演奏家で特にルー氏はもちろんいろいろとすごいんだけれども、少し模範的な演奏をしがちで、音が美しいようで何となく少しぶっきらぼうな感じもあるところが意外と似ていると思います。
僕は次のような演奏の方がたくさん間違ってるけどもある意味、丁寧だと思います。『丁寧』という言葉の問題になってきてしまいますが。

このような演奏を好むということは、あまり真面目に弾かれると楽しめないということだと思うのですが、それは、本当はそんなにスペインが好きではなく、ちょっとした趣味の問題として楽しみたい、そんな僕にはフランス人によるスペイン風のものを楽しむので充分、ということなのかもしれません。

アルベニスやグラナドス、デ・ファリャならラヴェルやドビュッシーのスペイン物で充分。でもモンポウにはちょっと特別感じるものがあるのは、それはむしろスペインというよりはカタルーニャに惹かれるということかもしれません。

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コンサートのお知らせ(詳細はコンサートページをご覧下さい)

吉川隆弘X西島数博『ジュリエットからの手紙』
2015/3/29(日)

昼の部 開演15:00 夜の部 開演18:00
イタリア文化会館・東京 アニエッリホール
S席 7,000円 A席 5,000円 全席指定

出演:吉川隆弘(音楽監修・ピアノ演奏)
西島数博(演出振付・特別出演)
富村京子(出演)
梶谷拓郎(出演・振付)

チケット販売
カンフェティ・チケット・センター Tel:0120-240-540(平日10:00~18:00)
http://www.confetti-web.com/detail.php?tid=27375&

Ampio吉川隆弘音楽事務所 Tel:03-6421-8131
Mail: ampio-tokyo@takahiroyoshikawa.com

吉川隆弘ピアノリサイタル『幻想』
2015/3/20(金)19:00 西宮市プレラホール
2015/3/27(金)19:00 MUSICASA(東京・代々木上原)

プログラム:
ベートーヴェン作曲
2つの幻想曲風ソナタ Op. 27
n. 1 ピアノソナタ第13番 変ホ長調
n. 2 ピアノソナタ第14番 嬰ハ短調『月光』
ショパン作曲
幻想曲 へ短調 Op. 49
2つのノクターン Op. 55
n. 1 ヘ短調
n. 2 変ホ短調
幻想ポロネーズ 変イ長調 Op. 61

3月20日(金)西宮市プレラホール
開場 18:30 開演 19:30 全席自由 3,500円
ご予約・お問い合わせ:Tel. 0798-73-3295
チケット販売:西宮市プレラホール Tel.0798-64-9485
e+ イープラス:http://eplus.jp
Ampio(吉川隆弘後援会)Tel.0798-73-3295
e-mail. ampio@takahiroyoshikawa.com

2015/3/27(金) MUSICASA(東京・代々木上原)
開場 18:30 開演 19:30 全席自由 4,500円
チケット販売:
カンフェティ・チケット・センター Tel:0120-240-540(平日10:00~18:00)
http://www.confetti-web.com/detail.php?tid=27026&
Ampio吉川隆弘音楽事務所 Tel:03-6421-8131
Mail: ampio-tokyo@takahiroyoshikawa.com

モンポウ 歌と踊り第6番(の歌のみ)

前回のルービンシュタインのスペインの音楽を集めたものの中には39:59からモンポウの歌と踊りの第6番も入ってましたが、この曲の歌のみのミケランジェリの演奏がとても好きでした。

(この曲に続けて同主調のショパンの遺作のワルツを弾いています。この組み合わせでアンコールで弾いていたようです。)
この曲のこの演奏が好きだった、という過去の話であって、この曲はこの演奏でないといけないという話ではなく、以下の演奏ももちろん充分楽しめます。

セゴビアのアンダルーザ


グラナドスのアンダルーザはもちろんピアノのために書かれた曲ですが、ぼくはこの演奏が大好きでした。ひさしぶりに聴き返してみましたが、リズムの感じ方、弦の違いによる音色の変化、ポルタメント、ヴィブラートなどなどの魅力に溢れています。

作曲者自身の演奏のピアノロールのものもあり、とても説得力のあるリズムの揺れが聴かれますが、ピアノロールは音色が貧しく残念です。

以下大ピアニストの名演。

でもやっぱりこの曲は僕にはセゴビアが一番しっくりきます。

ルービンシュタイン

「好きなピアニストは誰ですか?」と聞かれると返事にいつも戸惑ってしまう。
それは、「好きな女の子は誰ですか?」と聞かれたときに戸惑うのと少し違うのは言うまでもない。「好きな作曲家は誰ですか?」と聞かれてもやっぱり戸惑ってしまうけれど、それもまた意味合いが違う。
で、こう書き始めると今からその説明をするのかと思われたかもしれませんが、そうではありません。

ホロヴィッツがパリにデビューした時に、そのコンサートを聞いたルービンシュタインはいたく感動し(彼はすでにパリで大成功を収めた先輩である)、コンサート後に舞台裏を訪ねてホロヴィッツが楽屋から出てくるまで誰よりも大きな声で褒め称え、ルービンシュタインに紹介されたホロヴィッツは「あの箇所で一つ音を間違えてしまって・・・」と言ったとか、で、ルーは「一晩のリサイタルで一つしか音を間違わなくて済むのなら寿命が10年縮まってもかまわない」と内心呟き、一人寂しくその楽屋を後にしたルーにさる美貌の侯爵夫人が「でも(ショパンの)舟歌はあなたのものよ」と囁いたとか、そういう話を思うと「ルーが好きです」と言いたくなる。

ルービンシュタインといえば非常におしゃれであったこともまた僕の惹かれるところである。大体最近(「今生きている」と言う意味で、というのも私は非常に古いピアニストしか聞かないのです)のピアニスト達は服装などに気を使わないようで、そのような配慮は表面的で中身のない、芸術とは無関係な浅はかな趣味であると思われているのかもしれないけれど、それに反して希代の趣味人ルー氏はいつもオーダーメイドの美しいスーツとシャツに、カフス、指輪も凝っていて、僕などにはうらやましい限りである。

悲しいかな、人として大好きなルー氏は、演奏が大好きなピアニストではないのである。