ピアノの弾き方など

ピアニストのブログということで、ピアノの弾き方なんかも書いてみると、ピアノを弾く人に興味を持ってもらえるかもしれないと思い、僕の思うところを書いてみることにしました。

「ピアノの弾き方」というと、当然「ピアノの上手な弾き方」ということになるので、ということはまず僕の上手だと思うのはどういうことか、というのを書く必要があるようで、でも、僕の上手だと思う弾き方をする人が上手であるということになると、どうも独りよがりであるようにも思える。
例えばネイガウス(リヒテルやギレリスの先生で確かブーニンのおじいさんでしょうか?)のピアノ奏法というような題の本は、学生のときに興味深く読みました。そこでは大きい音は鍵盤から高く挙げた手に重みを掛けて落とす、というような独特(だと僕は思う)な奏法が書かれていたように記憶していますが、それは、彼の求める音を出すための方法であって、普遍的な意味でのピアノの弾き方が論じられているのではないのは明らかだと思われます。
ギーゼキングの先生だったという人(名前は失念しました)の本も随分何度も読みました。学ぶことの多い本でしたが、この本でもテクニックについて書かれていることは、彼が信じ、そしてギーゼキングが具現した理想について書かれており、その弾き方がすべてであるとは思えませんでした。

Walter Gieseking

Walter Gieseking

ピヒト=アクセンフェルトのブラームスの51の練習曲についての本もまた面白く読みました。彼女の音楽に対する真摯な姿勢、ほとんど信仰に近い献身的なあり方には感動的なものがありますが、純粋に奏法が語られているとは言えないと思います。
トバイアス・マテイはそういう意味では具体的に「どのようにピアノを弾くのか」ということを論じていると思います。ピアノを弾くということは鍵盤を下ろすということ、どのように弾くか、とは、どのように鍵盤を下ろすか、ということであるという視点は、明解で、説得力があります。
他にも山ほどこの手の本はあるので、今さら何を書くのか、という問いが聞こえてきそうです。
でも僕には少し思うところがありまして、書き始めたからにはその少し思うところを書きたく、何となく書き始めたこの話、少し長くなりそうです。(つづく)