イタリアらしさについて

亡くなったロッシさん(イタリアの最もありふれた姓の一つ)は天国に行きましたが、天国の門番に、

「君の名前は名簿に見当たらない。煉獄 Purgatorio(ダンテ『神曲』参照)に行きなさい」

と言われました。

ようやく辿り着いた煉獄でも門番に

「君はここではないな、地獄に行きなさい」

と言われ、仕方なく地獄に行きました。

地獄の門番には、

「ああ、ロッシさん、ようこそ地獄へ。現在イタリアの地獄とドイツの地獄しか空きがありませんがどちらになさいますか?」

と訊かれたけれど、よく分らなかったので違いを尋ねてみると、

「ドイツの地獄では朝4時起床、起きたらすぐ金槌で80回打たれ、その後古くて固いパンを4切れ与えられ、夜11時まで猛暑の中厳しい肉体労働が課せられます。それから夕食に固くて古いパンを4切れ、そして金槌で80回、4時間の睡眠、以上です」

それは大変なことだなと思い、イタリアの地獄は?と尋ねると、

「書類が非常に古く読みにくいのですが、朝4時起床、金槌80回、古く固いパン4切れ、18時間の重労働、金槌80回、古く固いパン4切れ、就寝、ということは全く同じですね」

と言われ、決めようがないのでどうすればいいのか尋ねてみました。

「イタリアの地獄の方がいいでしょうね。朝起こす係の者が寝坊したり、古いパンが切れていて新しいパンだったり、金槌が見つからない日もあるようですから、、」

悪徳

「タバコ」はもちろん、「暴飲暴食」も体に悪いことは古くから知られています。度を過ぎると、大抵のことは体に悪いものです。体に悪いと分かっていながら快楽に走ってしまうのは、よくないことです。満足を求めて何事にも飽き足らず、何かと度を過ぎてしまうのは、よくないことです。

ピアニストというからにはピアノを上手に弾けなくては話になりません。ピアノを毎日練習して、音一つ間違わず、解釈も筋が通っていて、作曲家の意図をストレートに伝えるような演奏をすることが、ピアニストの本望です。

でも、作曲家の意図がストレートであったかどうか、シューマンはハイネを素直に解釈できたのか、ベルトランは健康な詩人なのか、ダンテの天国には「しなかったことへの後悔」が充満しているのではなかったか、芸術の道徳的な価値なんてワーグナーを愛したナチストを見れば幻想に過ぎなかったことは明らかなのではないのか・・・。

そういう話ではなかった。

暴飲暴食愛煙家、バイロン気取り、カラヴァッジョ、フランソワ・ヴィヨン、などは、大器晩成を目指すしかないしがない無名ピアニストには無縁であります。

Trattoria Dei Bana Ai Buranelli, Via Buranelli - Treviso

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