ご好評いただいております(誰からもいただいていません)「バールはお好き?」第2弾はカッレガーロです。
ソルフェリーノ通りにあるこのバールはパン屋さんでお菓子屋さんでもあるので、朝ご飯、昼ご飯、おやつ、食前酒と幅広く楽しむことが出来ます。
くつろぎのソファー、デザインテーブル席、立ち飲み用のカウンターにパンケーキコーナーと、そんなに広くない店内はぎっしり詰まっていますが、天井が高いので圧迫感はありません。
では、エスプレッソを一杯。
ううーむ、なかなかうまい!
味を文章で表すのは難しいですね。前回のラデツキーのカフェは「ミラノ風の優しい味」と書きましたが、僕は基本的にはミラノしか知らないので、ここでいう「ミラノ風」というのは他の街との比較ではなくて、ミラノのスタンダードな感じ、という程度のことです。それは、濃すぎず、どちらかというと少し長め(イタリアでコーヒーは長い短いと言います)です。「優しい」というのは酸味とかコクのバランスなのだと思います。「おいしい、まずいではなく」ともかきましたが、それは、今後まずいカフェについて書く時に、まずいとは書かなくても、おいしいと書かないことでまずいと思っていることがばれてしまうのは少し辛いためです。実際のところラデツキーもカッレガーロもおいしいと思います。ラデツキーはマルコさんというバリスタさんが朝から午後の担当ですが、彼が淹れたカフェと違う人が淹れたカフェでは同じ豆同じエスプレッソマシーンでも味が違うと思います。味が違うといえば飲む側の状態(お腹が空いているとか怒っているとか)によっても全く違う感じ方をする可能性があります。マルコさんのカプチーノやカフェマッキアートなど泡立てたミルクを使ったものには素晴らしいものがあると思いますが、それについて書くのはあまりに簡単で、バリスタの上手下手を書きたくはなく、また、そういつでもカプチーノなどを飲む気分でもなく、きめ細かい泡など視覚的なものは写真を撮るのも厄介なので、ここではいわゆるエスプレッソだけを取り上げることにしています。カッレガーロのカフェは酸味よりコクがあり少し短めです。
音楽は今や僕にとってはいわゆるナリワイなので、お腹が空いていようと腹が立っていようと楽曲や演奏の質について一定した評価を下せると思いたいですが、味覚については全くチンプンカンプンなので、当然いろいろな要素に左右されてしまいます。ということは音楽が本業でない人にとって、スカラ座で聴くのと町の公民館で聴くのとでは同じ演奏でも大きく印象が変わる可能性があり、上手いだけではなく、上手く見せる必要が、演奏家にもまた求められているのである、と、そう上手くもないピアニストが書くと、ちょっとした冗談としては面白いのかもしれないと思いました。
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